Ochiai T, Sano T, Kubota N, Kadowaki T, Wakabayashi T, Iwatsubo T: Differential involvement of insulin receptor substrate (IRS)-1 and IRS-2 in brain insulin signaling is associated with the effects of their deficiency on amyloid pathology in Alzheimer’s disease. Neurobiol Dis 159:105510, 2021
- 基礎
- 2021-9-16
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新しい論文をNeurobiology of Diseaseに発表しました
Differential involvement of insulin receptor substrate (IRS)-1 and IRS-2 in brain insulin signaling is associated with the effects on amyloid pathology in a mouse model of Alzheimer’s disease
Toshitaka Ochiai*, Toshiharu Sano*, Takeru Nagayama, Naoto Kubota, Takashi Kadowaki, Tomoko Wakabayashi, Takeshi Iwatsubo (*co-first author)
Neurobiol Dis. 159:105510, 2021, doi: 10.1016/j.nbd.2021.105510
2型糖尿病とその中核病態であるインスリン抵抗性は、アルツハイマー病(AD)の発症や脳のAβ沈着にも関与しています。一方、インスリン/IGF-1シグナル経路の構成要素であるインスリン受容体基質(IRS)-2などを遺伝学的に欠損すると、ADモデルマウス脳のAβ蓄積が抑制されることも知られ、脳のインスリンシグナルはADの病態形成において重要かつ多面的な役割を担うと考えられます。本研究では、シグナル伝達の鍵分子であるIRS-1とIRS-2を欠損させたADモデルマウスを作製し、脳のインスリンシグナル活性化とADの病理に対する両者の相対的な寄与を調べました。その結果、脳のインスリンシグナル活性化にIRS-1の欠損は顕著な影響を与えませんでしたが、IRS-2の欠損は下流のAktの活性化を著しく阻害しました。AD病理の解析では、脳のAβレベルやアミロイド斑蓄積、タウのリン酸化は、IRS-2の欠損によってのみ有意に変化することを示しました。これらの結果から、脳のインスリンシグナル伝達ではIRS-2が主要な役割を果たしていることが示されました。また本研究の結果は、インスリンシグナルの低下が脳内で抗アミロイド作用を発揮するという仮説を更に補強するものでした。 論文へのリンクはこちら。
