Hashimoto T, Wakabayashi T, Watanabe A, Kowa H, Hosoda R, Nakamura A, Kanazawa I, Arai T, Takio K, Mann DMA, Iwatsubo T: CLAC: a novel Alzheimer amyloid plaque component derived from a transmembrane precursor, CLAC-P/collagen type XXV. EMBO J 21:1524-1534, 2002

基礎
2002-2-8
110

新しい論文をThe EMBO Journalに発表しました

CLAC: a novel Alzheimer amyloid plaque component derived from a transmembrane precursor, CLAC-P/collagen type XXV

Tadafumi HashimotoTomoko Wakabayashi, Atsushi Watanabe, Hisatomo KowaRitsuko Hosoda, Atsushi Nakamura, Ichiro Kanazawa, Takao Arai, Koji Takio, David M.A. Mann, Takeshi Iwatsubo

The EMBO Journal 21(7):1524-1534 (2002)

doi: 10.1093/emboj/21.7.1524

アルツハイマー病の脳にはアミロイド物質が蓄積し、発症の原因となると考えられています。脳アミロイドの主成分はβタンパクですが、これ以外にもアミロイドに固くくっつき、βタンパクの蓄積やアルツハイマー病の発症に影響を与えるタンパク質の存在が想定されてきました。今回我々は、アルツハイマー病の脳にたまったアミロイドから新規の成CLACを同定しました。CLACはコラーゲン状の構造をもち、膜を貫通する形のCLAC前駆体タンパク(25型コラーゲンとも命名されました)から、furinという切断酵素で切り出され、分泌されることも突き止めました。コラーゲンは通常皮膚や血管などの結合組織に大量に存在する線維性のタンパクですが、神経細胞がコラーゲンを作っているということもはじめて分かった事実です。CLACタンパクはβアミロイドに付着することにより、βアミロイドの凝集に影響を与えたり、周囲からの分解に対し抵抗性を与え、アルツハイマー病の発症に影響 を与える可能性が考えられます。このタンパクの存在は1997年にペンシルベニア大のトロジャノフスキー、リー教授らにより予想されていました (Science 277: 31-32, 1997)が、数年にわたる研究の結果、今回我々の研究チームがその同定に成功しました。アミロイド蓄積阻害治療、発症前診断への応用も期待されます。図は抗CLAC抗体9D2と抗βアミロイド抗体で二重染色したアルツハイマー病の脳組織。CLACとβアミロイドが共存する老人斑は黄色に染色されています。

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