Ishida K, Yamada K, Nishiyama R, Hashimoto T, Nishida I, Abe Y, Yasui M, Iwatsubo T: Glymphatic system clears extracellular tau and protect from tau aggregation and neurodegeneration. J Exp Med 219:e20211275, 2022
- 基礎
- 2022-2-28
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新しい論文をJournal of Experimental Medicineに発表しました
Glymphatic system clears extracellular tau and protects from tau aggregation and neurodegeneration
Kazuhisa Ishida*, Kaoru Yamada*, Risa Nishiyama, Tadafumi Hashimoto, Itaru Nishida, Yoichiro Abe, Masato Yasui, Takeshi Iwatsubo (*co-first author)
J Exp Med. 219(3):e20211275, 2022, doi: 10.1084/jem.20211275
タウは、アルツハイマー病をはじめとする様々な神経変性疾患で脳に蓄積して、神経細胞の死を招く、認知症の原因となるタンパク質です。しかしながらタウの蓄積を防止することにより神経細胞死を食い止める治療法は、これまでに開発されていませんでした。私たちはタウが脳内から除去される仕組みを明らかにすることが認知症の発症予防に繋がると考え、脳の細胞外での体液の流れに着目しました。マウスを用いた実験で脳内の老廃物を除去するグリアリンパ系(グリンパティックシステム)の仕組みによって、タウタンパク質が脳内から脳脊髄液に移動し、その後、頚部のリンパ節を通って脳の外へ除去されていること、またこの過程にアクアポリン4 (AQP4) というタンパク質が関与していることを明らかにしました。さらにAQP4を欠損し、脳からのタウの除去が低下しているマウスでは、神経細胞内のタウ蓄積が増加し、神経細胞死も助長されることがわかりました。本研究において、アルツハイマー病をはじめとする様々な認知症性疾患の原因となるタウが、脳から除去されるメカニズムが初めて明らかになりました。この除去過程に関わるAQP4を欠損したマウスでは、タウの蓄積と神経細胞死が亢進したことから、タウの除去の低下は、認知症発症の原因の1つとして重要であるものと予想されます。本研究で見出されたタウの除去機構を促進することが可能となれば、タウの蓄積や神経細胞死を防止し、アルツハイマー病などの様々な認知症の新規の予防・治療法の開発につながることが期待されます。 論文へのリンクはこちら。 プレスリリースはこちら。 本研究成果はNHK web、Alzforum、日本経済新聞、毎日新聞、マイナビニュースに掲載されました。
