Kuwahara T, Funakawa K, Komori T, Sakurai M, Yoshii G, Eguchi T, Iwatsubo T: Roles of lysosomotropic agents on LRRK2 activation and Rab10 phosphorylation. Neurobiol Dis 145:105081, 2020
- 基礎
- 2020-9-10
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新しい論文をNeurobiology of Diseaseに発表しました
Roles of lysosomotropic agents on LRRK2 activation and Rab10 phosphorylation
Tomoki Kuwahara, Kai Funakawa, Tadayuki Komori, Maria Sakurai, Gen Yoshii, Tomoya Eguchi, Mitsunori Fukuda, Takeshi Iwatsubo
Neurobiology of Disease, 2020, doi: 10.1016/j.nbd.2020.105081
Leucine-rich repeat kinase 2 (LRRK2) は優性遺伝性パーキンソン病の主要な病因タンパク質であり、Rab10などの一部のRab GTPaseを細胞内でリン酸化するキナーゼです。LRRK2キナーゼ活性の異常亢進がパーキンソン病発症につながると考えられており、その活性制御機構の解明が求められています。私たちはこれまでに、リソソームストレス誘導剤であるクロロキンを細胞に添加するとLRRK2によるRab10リン酸化が亢進することを報告しました(Eguchi et al, PNAS 2018)。今回私たちは、臨床応用されている薬剤のうち、特定の抗うつ薬や抗がん剤、局所麻酔薬などの薬剤の投与が細胞内においてLRRK2によるRab10リン酸化を顕著に誘導することを見出しました。これらの薬剤はいずれもクロロキンと同様にリソソーム指向性を有していたことから、薬剤の蓄積によるリソソーム過積載がRab10リン酸化をもたらすものと考えられました。また、これらの薬剤の投与はLRRK2の酵素活性自体は上げず、むしろ、LRRK2とRabの近接度を上げることでRab10リン酸化を誘導することが分かりました。一方、薬剤投与によるRab10リン酸化の亢進にはLRRK2活性化因子Rab29が必要であったことから、Rab29と薬剤投与が段階的にRab10リン酸化亢進に寄与するものと考えられました。以上の発見はLRRK2によるRabリン酸化の制御機構に重要な示唆を与えるとともに、LRRK2活性制御に根差したパーキンソン病治療薬の開発に貢献するものと期待されます。
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