Yamada K, Yabuki C, Seubert P, Schenk D, Hori Y, Ohtsuki S, Terasaki T, Hashimoto T, Iwatsubo T: Aβ immunotherapy: intracerebral sequestration of Aβ by an anti-Aβ monoclonal antibody 266 with high affinity to soluble Aβ. J Neurosci 29: 11393-11398, 2009

基礎
2009-9-9
237

新しい論文をThe Journal of Neuroscienceに発表しました

Aβ Immunotherapy: Intracerebral Sequestration of Aβ by an Anti-Aβ Monoclonal Antibody 266 with High Affinity to Soluble Aβ

Kaoru YamadaChiori Yabuki, Peter Seubert, Dale Schenk, Yukiko Hori, Sumio Ohtsuki, Tetsuya Terasaki, Tadafumi HashimotoTakeshi Iwatsubo

The Journal of Neuroscience 29(36):11393-11398 (2009)

First Published on September 9, 2009, doi: 10.1523/​JNEUROSCI.2021-09.2009

アルツハイマー病の病因にはAβペプチドからなるβアミロイドの脳内蓄積が重要と考えられています。共同研究者のSchenk博士は、Aβを接種したアミロイド前駆体トランスジェニックマウス脳でβアミロイドの蓄積が顕著に抑制されることから「Aβワクチン療法」を開発しました。この効果は血液中に産生された抗Aβ抗体によることが示され、現在ヒト化抗Aβ抗体を投与する受動免疫療法の臨床治験が開始されています。しかし、脳の外から投与された抗体が、どのようなメカニズムによって脳内のAβ蓄積を抑制するのかは不明でした。特に、現在治験の進められている抗体のいくつかは、血液中で作用し、脳からのAβ排出を促進する(「シンク効果」)と信じられてきましたが、それを実証する知見はありませんでした。今回私たちは、シンク効果を生じると考えられてきた代表的なモノクローナル抗体266が、脳からAβを引き抜くのとは逆に、脳内に進入して治療効果を生じていることを示しました。アルツハイマー病の脳では、単量体型で産生されたAβが、障害性の高いオリゴマーを経て、アミロイドとして蓄積するものと考えられています。今回の結果は、抗Aβ抗体が脳内に進入して可溶・単量体型のAβに結合、これをオリゴマーやアミロイド等の多量体の形成過程から隔離し、阻害するという新規の作用メカニズムを提起するものです。

Yamada_JNS
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